日帰り手術は体表の簡単な手術にとどまらず、鏡視下手術にも適応が拡大される動きが出てきました。
鼠径ヘルニアはもとより、虫垂や胆石においてもエビデンスが集まりつつあります。
当研究会は腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術で多数の日帰りの経験がある医師らによって発足しました。
当研究会では、麻酔科と外科の協働が重要な鍵となります。麻酔科医が日帰り全身麻酔に理解がなければ、品質管理はままなりません。
外科医のみならず、麻酔科医も広く募り、両者の親睦と共同研究も推進していく姿勢は当研究会の大きな特徴です。
日帰り手術を現場で実践されている医師はもとより、賛同される多様な職域の参加を歓迎します。
なお、当研究会は財団法人いきいきねっとの分科会として設立されています。
いきいきねっとは会の資金調達、運営業務のバックオフィスとして機能し、会員の活発な活動を支えます。
日帰り手術研究会代表世話人を拝命しました多賀谷信美です。私は1990年にまだ身体を大きく切る手術が当たり前だった時代に腹腔鏡という細いカメラを使った手術を全国に先駆けて行った医師たちの一人です。
小さいキズで患者さんの負担を軽くしたい、我が国の外科手術を良くしたい、そして後進の若い外科医を育てたい、その一心で今日まで励んでまいりました。
この腹腔鏡手術も2015年頃から日帰りで行う取り組みが始まっています。
日帰り手術というと皆さんはどのような医療を想像されますか。ホクロをとるような体表の手術でしょうか、あるいは美容的な処置でしょうか。
当研究会は簡単な手術にとどまらず、あらゆる診療科の日帰り手術を研究対象としています。近年は腹腔鏡のテクノロジーの発達により、腹部の手術の多くが小さいキズで可能になりました。全身麻酔も2010年頃登場した新薬により大きな進歩を遂げました。
腹腔鏡と全身麻酔。この組み合わせでも、日帰りが可能となり、先進的な医療機関がすでに工夫を重ねています。
医療は発展を望みつつも、医療費が高騰することは疎まれる。市場の拡大が目標とされる他の産業とは構造が異なります。
医学の進歩を誰もが望みつつも、医療費は削減せよと言われてしまうのです。無駄を省くことを同時に考える必要があります。
一方で医療従事者はボランティア精神だけで精力的な活動が続けられるでしょうか。
手術手技の研鑽に外科医は日夜心血を注いでいます。
専門家としての報酬を守りつつ、国の医療費の無駄を防ぐ、患者さんの経済的時間的資源を節約する。日帰り手術はこれら相反する目標が高い次元で調和されると思います。
全国DPC平均では5日に及ぶ入院治療が、日帰り手術では半日かからず終わります。この事実は大きな意味があると思いませんか。
当研究会では、麻酔科と外科の協働が重要な鍵となります。麻酔科医が日帰り全身麻酔に理解がなければ、品質管理はままなりません。麻酔科の先生の参加も広く募ります。
そして、多職種の理解と協力が日帰り手術には不可欠です。日帰り手術を現場で実践されている医師はもとより、賛同される多様な職域の参加を歓迎します。
代表世話人 | 多賀谷信美 |
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副代表世話人 | 吉岡慎一 山高篤行 |
いきいきねっと代表理事 | 椎原正 |
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理事 | 松下公治 佐藤正樹 |
事務局長 | 大橋直樹 |